相続とは?初めてでもわかる相続の基本と、亡くなった後にやるべきこと

相続とは?初めてでもわかる相続の基本と、亡くなった後にやるべきこと
「相続とは、そもそも何をする手続きなの?」
家族が亡くなったとき、多くの方がこのような疑問を抱きます。
相続という言葉は普段から耳にするものですが、実際に自分が相続人になると、
「誰が相続人なのか」「何を相続するのか」「どんな手続きが必要なのか」など、分からないことが次々に出てきます。
さらに、相続には遺言書、遺産分割協議、相続放棄、預貯金の解約、不動産の名義変更など、さまざまな手続きがあります。
この記事では、相続について初めて調べる方に向けて、
相続の基本から、身近な方が亡くなった後に行うべき主な手続きまで、行政書士が分かりやすく解説します。
〈目 次〉
1.そもそも「相続」とは?
2.誰が相続人になるの?
3.相続する財産には何がある?
4.相続財産が借金だけだったらどうする?
5.遺言書がある場合はどうなる?
6.遺言書がない場合は「遺産分割協議」
7.相続手続きには期限があります
8.相続手続きはどのような流れで進める?
9. まとめ
1.そもそも「相続」とは?
相続とは、ある人が亡くなったことによって、
その人が所有していた財産や権利・義務などを、一定の親族などが引き継ぐことをいいます。
亡くなった方を「被相続人」
財産を引き継ぐ人を「相続人」と呼びます。
例えば、父親が亡くなり、妻と子どもがいるケースを考えてみましょう。
父親が所有していた預貯金、不動産、自動車などの財産について、
法律上の相続人である妻や子どもがその財産を引き継ぐことになります。
ただし、相続では「プラスの財産」だけでなく、「マイナスの財産」も問題になります。
例えば、
- ・預貯金
- ・不動産
- ・株式
- ・自動車
- ・現金
などはプラスの財産です。
一方で、
- ・住宅ローン
- ・借入金
- ・未払いの債務
などがあれば、これらについても相続が問題となります。
そのため、「亡くなった家族に財産があるから相続する」というだけではなく、
財産全体を把握したうえで、どのような対応をするのかを考えることが重要です。
2.誰が相続人になるの?
相続が発生すると、まず確認しなければならないのが「誰が相続人なのか」ということです。
法律上、誰でも相続人になれるわけではありません。
一般的なケースでは、被相続人の配偶者や子ども、父母、兄弟姉妹などが相続人になる可能性があります。
ただし、相続人になる順位が法律で定められています。

第1順位:子ども
被相続人に子どもがいる場合、原則として子どもが相続人になります。
子どもがすでに亡くなっている場合には、その子ども、つまり被相続人から見た孫が相続人となる「代襲相続」が問題になることがあります。
第2順位:父母などの直系尊属
子どもがいない場合などには、父母などの直系尊属が相続人となることがあります。
第3順位:兄弟姉妹
子どもや直系尊属がいない場合には、兄弟姉妹が相続人となる可能性があります。
なお、配偶者はこれらの順位とは別に、一定の場合に常に相続人となります。
ただし、実際の相続では、離婚・再婚、養子、認知、代襲相続などによって相続人の範囲が複雑になることがあります。
そのため、「家族は自分たちだけだから相続人も簡単に分かる」と決めつけず、戸籍を確認して相続人を確定することが重要です。
3.相続する財産には何がある?
相続の対象となる財産は、預貯金や不動産だけではありません。
代表的なものとして、次のような財産があります。

- 預貯金
- 現金
- 土地・建物
- 株式などの有価証券
- 自動車
- 貴金属
- ゴルフ会員権
- 貸付金
- その他の財産上の権利
一方、借金などのマイナスの財産についても相続の対象となる場合があります。
そのため、相続が発生したら、できるだけ早い段階で「財産調査」を行うことが大切です。
通帳や証券会社からの郵便物、不動産の権利証・登記識別情報、
固定資産税の納税通知書など、手がかりになる資料を確認していきます。
4.相続財産が借金だけだったらどうする?
相続で特に注意したいのが、被相続人に多額の借金があったケースです。
相続人は、必ずしも被相続人の財産や債務をそのまま受け継がなければならないわけではありません。
一定の要件のもとで、「相続放棄」という手続きを選択することができます。
相続放棄をすると、法律上、初めから相続人ではなかったものとみなされます。
ただし、相続放棄には原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内という期間があります。
そのため、「借金があることを知らなかった」「財産がないと思っていた」という場合でも、相続が発生したら早めに財産や債務を調査する必要があります。
なお、相続放棄は家庭裁判所に申述する手続きです。
判断に迷う場合には、できるだけ早く専門家に相談することをおすすめします。
5.遺言書がある場合はどうなる?
相続が発生した場合、必ず遺産分割協議をしなければならないわけではありません。
被相続人が遺言書を残している場合、その内容が相続手続きに大きく影響します。
遺言書には、例えば、
「長男に自宅を相続させる」
「妻に預貯金を相続させる」
「孫に財産を遺贈する」
など、財産の分け方について記載することができます。
そのため、家族が亡くなった場合には、まず遺言書が残されていないか確認することが重要です。
自宅の机や金庫などを探すだけでなく、公正証書遺言が作成されていないか、公正証書遺言検索システムの利用を検討するなど、状況に応じて確認します。
なお、自筆証書遺言については、法務局の自筆証書遺言書保管制度が利用されている場合があります。
6.遺言書がない場合は「遺産分割協議」
遺言書がない場合、相続人が複数いるときには、相続財産をどのように分けるのかを話し合う必要があります。
この話し合いを「遺産分割協議」といいます。

例えば、父親が亡くなり、母親と子ども2人が相続人だったとします。
財産として、
- 自宅
- 預貯金1,000万円
- その他の財産
があった場合、誰がどの財産を取得するのかを相続人全員で話し合います。
話し合いがまとまったら、その内容を「遺産分割協議書」にまとめます。
遺産分割協議書には、誰がどの財産を取得するのかを具体的に記載し、相続人全員が署名・ご実印を押印するのが一般的です。
7.相続手続きには期限があります
相続で注意したいのが「期限」です。
相続に関する手続きの中には、期限が定められているものがあります。
代表的なものが相続放棄です。
先ほど説明したとおり、相続放棄は原則として、
自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。
また、相続税の申告・納税が必要となるケースでは、
原則として相続の開始を知った日の翌日から10か月以内という期限があります。
さらに、相続財産に不動産が含まれている場合には、相続登記についても注意が必要です。
相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが原則として義務付けられています。
このように、相続では「いつまでに何をするのか」を把握することが非常に重要です。
8.相続手続きはどのような流れで進める?
一般的な相続手続きは、次のような流れで進めます。

STEP1 死亡の確認・死亡届など
家族が亡くなったら、死亡届の提出など、まず必要な行政手続きを行います。
STEP2 遺言書の確認
遺言書が残されていないか確認します。
STEP3 相続人を調査する
被相続人の出生から死亡までの戸籍などを取得し、相続人を確定します。
STEP4 相続財産を調査する
預貯金、不動産、株式などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産についても確認します。
STEP5 相続放棄などを検討する
借金が多い場合などは、相続放棄や限定承認を検討します。
STEP6 遺産分割協議
遺言書がない場合などには、相続人全員で財産の分け方を話し合います。
STEP7 遺産分割協議書を作成する
話し合いがまとまったら、その内容を書面にします。
STEP8 各種名義変更・解約手続き
預貯金の解約、不動産の相続登記、株式の名義変更などを行います。
STEP9 必要に応じて相続税の申告
相続税の申告・納税が必要な場合には、期限までに手続きを行います。
実際には、相続人の人数や財産の種類によって必要な手続きが大きく異なります。
- 9. まとめ:相続は「早めの確認」が大切です

相続とは、亡くなった方の財産や権利・義務などを相続人が引き継ぐことです。
しかし、実際の相続手続きでは、単純に財産を受け取るだけではありません。
相続人の調査、財産調査、遺言書の確認、遺産分割協議、各種名義変更など、さまざまな手続きを行う必要があります。
また、相続放棄や相続税の申告など、期限が問題となる手続きもあります。
そのため、相続が発生した場合には、できるだけ早い段階で全体像を把握することが重要です。
「何から始めればいいか分からない」という場合でも、専門家に相談することで、必要な手続きを整理することができます。
当法人では、相続に関する各種手続きについて、状況をお伺いしたうえで、必要な手続きを分かりやすくご案内しています。
相続は、一人で悩み続ける必要はありません。
ご家族が亡くなり、相続について少しでも不安や疑問がある場合には、まずはお気軽にご相談ください。